2024.08.26
Green Jacket 楽天GORA presents タケ小山のルールザワールド
パッティンググリーン上をウェッジでストローク
解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん
6月に開催されたJAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品の1ラウンド目。
14番ホール(パー3)にて、石川遼選手がグリーン上で2打目を
パターではなくウェッジを使ってストロークし、見事パーセーブをしました。
石川選手の球はホールから右横10mの所にあり、仮にそこからパットをしてホールを外した場合、
グリーン奥からの急な傾斜の影響でホールから2、3メートル左下へ転がってしまう状況でした。
そこでウェッジを使ってグリーンの傾斜に負けないスピンをかけながら打ったら、
ホールから30cmのところに止めるナイスショットを披露しました。
通常、パッティンググリーンではパターを使用しますが、
その代わりにウェッジを使うことは違反ではなりません。
ゴルフ規則では、どのコースエリアに球があっても
使用クラブの制限はありません。
つまり、ティーイングエリアからパターでティーショットを打つことも、
バンカーでFWウッドを使うことも可能です。
ところが残念なことに、幾つかのゴルフコースのローカルルールで、
「パッティンググリーン上では、パター以外のクラブを使用することはできない」
と制定していることがあります。
更には、「もしパターがない場合は、同伴プレーヤーのパターを借りてプレーをすること」
と続くことがあります。
しかし基本的に、ローカルルールもゴルフ規則と同じステータスがあり、
そのゴルフ規則を無視する、或いはローカルルールのガイドラインに矛盾するような
内容は認められません。(8. ローカルルールひな型)
この文言は明らかにゴルフ規則を無視しており、
パターを借りるにあたっては規則4.1bと矛盾します。
コースさんは、グリーン上の保護のために
このようなローカルルールを設けたと思いますが、
使用するクラブをコースエリアによって制限するのは誤りです。
そのようなローカルルールの下でプレーされたラウンドは、
ゴルフ規則に基づいてプレーされたとはみなされず、
誤ったローカルルールで開催された競技で提出されたスコアは、
ハンディキャップ目的のラウンドとして認められるかも疑わしくなります。
ゴルフ規則によるクラブの制限は、規則4.1の適合クラブの使用と14本までの本数あり、
その14本をどこで使うかはプレーヤーの自由です。
その代わりプレーヤーもディボット跡やボールマークの修復をしっかり行い、
コースの保護に努めなければなりません。