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2024.08.21

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米女子ゴルフ、畑岡奈紗が失格 紛失球でプレー

解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

6月に開催されたLPGAツアーのショップライト・クラシックの
2ラウンドスタート前に、畑岡選手は失格となりました。

これは前日の9番グリーン右奥の深いラフで球の捜索が3分を超えた後にも関わらず、
その球でプレーを続けたことが後に発覚したため、罰が課されました。(規則14.7b(1))
これに関して色々な記事やコメントが出ていましたので、解説します。

まず一番問題となったのは、
3分間の捜索時間を誰も計測せずに球の捜索が行われたことです。

規則では、誰が計測しなければならないという指示はありませんが、
捜索はプレーヤーかそのキャディーが球を探し始めた時に
計測がスタートします。(規則18.2a(1))

球が飛んでいった方向に、偶々ギャラリーが居合わせて探し始めたとしても、
それは捜索が始まったことにはなりません。

あくまでプレーヤーかそのキャディーが、
球が止まったであろう場所に到着して、探し始めたときに計測が始まります。

つまりプレーヤーはどのタイミングで計測を始めるべきかが分かるはずです。
しかしほとんどのプレーヤーは時計を着けていないので、
帯同キャディーに3分間の計測を任せるのが実際的です。

この時点で計測をしていれば、3分が経過したときに球は紛失となり、
ストロークと距離の罰に基づいて2打目地点に戻ってプレーすれば
失格にはなりませんでした。(規則18.2)

競技委員も球の捜索に立ち会うことがあります。
しかし、多くの場合は捜索している最中に現場に到着するので、
プレーヤーに「既に何分捜索していますか」と聞きます。
この場合でも、一番明確な計測時間が分かるのはプレーヤーと言えます。

次に問題とされたのが、外部からの指摘で違反が発覚したとのことですが、
実際は現場で球の捜索に参加していたラウンドレポーターでした。

確かに彼は同伴プレーヤーでもキャディーでもない、
その場にいたゴルフ関係者ではありますが、
委員会は現場にいる人から規則違反の可能性があると報告を受けた場合、
対応する責任があります。(6C(1)レフェリーと委員会のメンバーの任務と権限)

それ故、このような問題が委員会に挙がった場合、
現場にいた他の人の証言やテレビ映像など、
その時点で入手できる情報で事実確認をしなければなりません。

このケースでは、誰もタイムを計測していなかったので、
唯一、明確に時間の確認ができる方法がTV映像でした。
裁定が当日でなく、翌日になって発表された事情は分かりませんが、
裁定した内容は正しいと判断します。

最終的に、プレーヤーは自分自身に規則を適用する責任があります。(規則1.3b(1))
それ故、規則を正しく理解して行動することが
このような結果を避ける一番の方法と言えるでしょう。

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