2025.02.24
Green Jacket 楽天GORA presents タケ小山のルールザワールド
ローカルルールひな型G-9の変更
解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん
2024年8月、コロラド州で開催されたBMWチャンピオンシップの最終日。
マット・フィッツパトリック選手は使用しているドライバーのフェースに僅かな亀裂があることに気づき、
8番ティーでルーリングを要請しました。
プレーヤーは他のドライバーに取り替えることができると期待したのですが、
立ち会ったレフェリーは「確かに亀裂は確認できるが、取り替えが認められるほど著しい損傷ではない」と裁定し、
このドライバーで残りのホールでプレーを続けるか、修理のみが認められると伝えました。
さすがに修理はできないので、亀裂の入ったドライバーで打つか、
スプーンなどのクラブで代用するしかなくなったプレーヤーは、抗議の意味も込めてドライバーでティーショットをしました。
案の定、打った球は本来の球筋とは程遠く、飛距離も全く出ていませんでした。
そしてレフェリーに、「こんなティーショットしか打てないクラブのどこが認められないのだ」と抗議したのでした。
そんな事例があり、R&AとUSGAは2025年1月1日にゴルフ規則に新たな詳説を追加しました。
これは従来のローカルルールひな型G-9の「壊れた、または著しく損傷したクラブの取り替え」に置き替わり内容を緩和したもので、
これまで取り替えが認められなかったクラブヘッドやクラブフェースの目に見える亀裂は、
著しい損傷として取り替えを認めることにしました。
他にも、クラブヘッド内部のカタカタ音やシャフトに凹みや捻じれがある場合も、
取り替えを認めることになりました。
因みに取り替えるクラブは、損傷してプレーから除外するものと類似のクラブでなければなりません。
つまりドライバーが損傷して取り替えたい場合は、別のドライバーでなければならないということです。