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ウミトソラノシルス

2025.11.03

Green Jacket 楽天GORA presents タケ小山のルールザワールド

「教えて!Nory」

解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

【質問】

久しぶりにメッセージします。

先日、ライの改善の話がありましたが、以前、草むらにボールが隠れているのをボールが見えるところ迄、
手では触れずにアイアンで草刈りして、ボールを打っている某会社の会長さんがいました。

勿論、これはペナルティーになるかと思いますが、一体これは何罰打になるのでしょうか?

過去にはティーイングエリアでデベソを注意したら白のティーマーカーを動かしたこともあります!

兎に角、この会長さんは独自のルールを作るので、一緒にラウンドすると周りは困ってしまいます。

大変なんですよね~!

【解説】

ご質問者様、ご質問有難うございます。

たとえプライベートのゴルフだとしても、このような会長さんとのプレーは大変だとお察しします。

まず1つ目の質問です。

実際の状況を見ていないので明確には答えられませんが、罰なしか2罰打のいずれかになります。

規則7.1aには、「球の捜索において、球を見つけて確認するために合理的な行動をとることができ、
その行動には草、ブッシュ、木の枝、その他の生長または付着している自然物を動かすこと、
曲げること、そのような物を壊すことが含まれます。

ただし、球を見つける、または確認するために合理的な行動をとったが、結果として壊してしまった場合に限ります」

このようにフェアな捜索をした上で、ストロークに影響を及ぼす状態を改善した場合、
その改善がフェアな捜索の結果であれば罰はありません。

しかし、改善がフェアな捜索の為に合理的な限度を超えた行動の結果である場合、規則8.1aの違反に対して2罰打となります。

ご説明にあったように、草むらに隠れている球を見えるところまでアイアンで草刈りしたのであれば、
合理的な限度を超えた行動である可能性は高く、違反と裁定されるでしょう。

2つ目の質問ですが、ティーイングエリアでティーアップした球がティーマーカーより前にあり、
それを注意したらティーマーカー自体を球の前に動かしてティーショットしたということですね。

これは規則6.2b(4)の「ティーイングエリアからプレーするときにティーマーカーを動かすことの制限」に書かれていますが、
プレーヤーがティーイングエリアからストロークをする前にティーマーカーを動かすことによって
ストロークに影響を及ぼす状態を改善した場合、規則8.1aの違反に対して2罰打を受けます。

しかし、このケースでは、プレーヤーはティーアップした場所がティーイングエリアの前にあり、
それを直すために、ティーアップの位置を動かさず、
ティーマーカーを動かすことによってティーイングエリアに球があることにしたならば、
委員会は規則1.2aのゲームの精神に反する重大な非行として失格とすることができます。
(詳説6.2b(4)/1)

2025.11.03

Green Jacket 楽天GORA presents タケ小山のルールザワールド

球が空中に飛ぶことなく地面にくいこんだ場合

解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

AIG女子オープンの2ラウンド目。

今、注目のロッティー・ウォード選手が16番ホール(パー4)でルーリング要請をしました。

イギリス生まれのウォードはアマチュアからプロに転向した初戦のスコティッシュオープンで優勝し、
AIGでも優勝候補に挙げられていました。

そんなウォードは16番ホールの2打目をミスショットし、
グリーン右手前の膝近くまであるフェスキューのラフにすっぽり隠れてしまいました。

そこから3打目で横のフェアウェイに出そうとストロークしたのですが、
球はフェスキューの中に覆われたまま同じ場所にとどまりました。

その球がラフに埋もれたままの状態だと確認したウォードはレフェリーを呼び、
「自分の球はラフの中でくい込んでいるように思う」ということで、
罰なしで地面にくい込んだ球の救済を求めたのです。

しかしレフェリーはストロークをした時に球が空中に飛んでいないことを確認し、その場合であれば、
「たとえ球が地表面以下にあったとしても、地面にくい込んでいることにはならず、罰なしの救済は受けられない」
と伝えました。

これは規則16.3a(2)に記載されており、
例えば、誰かに踏まれて球が地面に押し込まれた場合や、
救済を受けるときにドロップした球が地面にくい込んだ場合も、
同様に地面にくい込んだ球の救済は受けられません。

ウォードはあるがままの状態でプレーすることは困難と判断し、アンプレヤブルとみなしました。

そして球とホールを結んだ20ヤード後方まで下がり、
カートやギャラリーが歩いて踏みつけられてできた自然道に球をドロップしました。

これは規則19.2bの後方線上の救済で1罰打をスコアに加えます。

ウォードはこの地点からホールまで58ヤードある距離を5打目でグリーンに乗せ、
2パットでこのホールをトリプルボギーとしました。

そんなトラブルに見舞われたウォードですが、
2日目の強風の中でスコアを落としたのはこの16番ホールと11番ホールのボギーのみ。

他のホールではバーディーを6つ取って順位を上げました。

多くの選手がスコアを崩す中、この日を通算-2の11位タイで終え、最終的に通算-4の8位タイで大会を終えました。

女子ゴルフ界は、ウォード選手のように海外でも若手の活躍が目覚ましく、ツアーに大きなインパクトを与えています。

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