2025.11.03
Green Jacket 楽天GORA presents タケ小山のルールザワールド
球が空中に飛ぶことなく地面にくいこんだ場合
解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん
AIG女子オープンの2ラウンド目。
今、注目のロッティー・ウォード選手が16番ホール(パー4)でルーリング要請をしました。
イギリス生まれのウォードはアマチュアからプロに転向した初戦のスコティッシュオープンで優勝し、
AIGでも優勝候補に挙げられていました。
そんなウォードは16番ホールの2打目をミスショットし、
グリーン右手前の膝近くまであるフェスキューのラフにすっぽり隠れてしまいました。
そこから3打目で横のフェアウェイに出そうとストロークしたのですが、
球はフェスキューの中に覆われたまま同じ場所にとどまりました。
その球がラフに埋もれたままの状態だと確認したウォードはレフェリーを呼び、
「自分の球はラフの中でくい込んでいるように思う」ということで、
罰なしで地面にくい込んだ球の救済を求めたのです。
しかしレフェリーはストロークをした時に球が空中に飛んでいないことを確認し、その場合であれば、
「たとえ球が地表面以下にあったとしても、地面にくい込んでいることにはならず、罰なしの救済は受けられない」
と伝えました。
これは規則16.3a(2)に記載されており、
例えば、誰かに踏まれて球が地面に押し込まれた場合や、
救済を受けるときにドロップした球が地面にくい込んだ場合も、
同様に地面にくい込んだ球の救済は受けられません。
ウォードはあるがままの状態でプレーすることは困難と判断し、アンプレヤブルとみなしました。
そして球とホールを結んだ20ヤード後方まで下がり、
カートやギャラリーが歩いて踏みつけられてできた自然道に球をドロップしました。
これは規則19.2bの後方線上の救済で1罰打をスコアに加えます。
ウォードはこの地点からホールまで58ヤードある距離を5打目でグリーンに乗せ、
2パットでこのホールをトリプルボギーとしました。
そんなトラブルに見舞われたウォードですが、
2日目の強風の中でスコアを落としたのはこの16番ホールと11番ホールのボギーのみ。
他のホールではバーディーを6つ取って順位を上げました。
多くの選手がスコアを崩す中、この日を通算-2の11位タイで終え、最終的に通算-4の8位タイで大会を終えました。
女子ゴルフ界は、ウォード選手のように海外でも若手の活躍が目覚ましく、ツアーに大きなインパクトを与えています。





