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2024.08.21

Green Jacket 楽天GORA presents タケ小山のルールザワールド

「教えて!Nory」

解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

【質問】

私は千葉県のゴルフ場で競技委員をやっています。
毎回この放送で勉強させて頂いております。

さて、質問です。
「打った球の放棄」についてです。

Aさんがパー3のホールで打った球がOBラインもある林の中に打ち込みました。
そこで暫定球をプレーしましたが、その球がピン手前50cmにつきました。

Aさんが打ち込んだ林の中からはグリーン面は見えない砲台グリーンで、
仮に球が見つかっても球のライやプレー前方の空間の状況を考えると難易度は高いです。

そこでAさんはプレー進行上、遅延させたくないとのことで、
3分間の捜索時間をすぐに止めて同伴競技者、キャディーさんにも捜索を中止させ、
最初の球を放棄して暫定球をプレーすることになりました。

そこで質問です。

1.簡単に球を放棄できるのか?
2.マッチプレーの場合は簡単に放棄せず3分間は捜索する必要はあるのか?

以上、宜しくお願いします。

【解説】

ご質問ありがとうございます!

球の捜索を放棄できるのかということですが、
ストロークプレーでもマッチプレーでも捜索を途中で止めることができます。
また球の捜索は義務ではないので、初めから捜索をしないという選択肢もあります。

今回のように、暫定球がナイスショットの場合は、初めの球を見つけたくないと思うでしょう。
それならば林に立ち寄ることなく、真っ直ぐグリーンに向かって暫定球でプレーを続けることが可能です。

しかし注意しなければならないのは、
球の捜索は義務ではないけれど、球を見つけた場合は
確認するために合理的なあらゆる努力をしなければなりません。
(2019年版詳説18.3c(2)/2)

つまり打った林の方向に球が見えてしまった場合、
それが自分のであるかを確認しなければいけません。
或いは、同伴プレーヤーBが林の中の球を見つけて、
それをAに告げた場合も確認義務が発生します。(規則18.2a(1))

もし球があるのを知っていながら確認せずに暫定球でプレーした場合、
それがAの球と分かった時点で暫定球でのプレーは誤球となります。

このような状況にならないようにAは林に近寄ることなく、
またBに球の捜索をしないように要求することができます。
しかしBはAの要求を聞く義務はないので、
不当の遅延とならない限り、Aの球の捜索をすることもできます。

これがマッチプレーの場合、BはAの球を捜索することが賢明でしょう。
しかしAもBの捜索を黙ってみているしかない訳ではありません。

規則18.3c(2)には、
「元の球があると推定する場所よりホールに近い箇所から暫定球をプレーした場合、
元の球はもはやインプレーでなくなり、暫定球がインプレーの球となる」とあります。

つまりAは、Bに球を見つけられる前にホール近くにある暫定球をパットすればよいのです。

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