2024.05.20
Green Jacket 楽天GORA presents タケ小山のルールザワールド
プレーオフ前の練習場
解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん
JLPGAの競技で行われるプレーオフはほとんどの場合18番ホールの繰り返しになります。
プレーオフは最終ラウンド終了後即時に開始されるため、最終組をプレーしている選手がプレーオフに行く場合、
そのラウンドの前に練習することはまずありません。
しかしプレーオフに出場する選手が早い時間にラウンドを終了していた場合、
その選手はプレーオフ前に練習することができます。
トーナメントの開催コースにもよりますが、指定練習場が18番ホールから遠い所にある場合、
送迎時間の都合により18番ホールに近い、運営さんから
「競技で使用された1番ホールを練習場として使用しても良いか」という質問を受けます。
この時に注意しなければならないのが規則5.2bです。
規則5.2はラウンド前やラウンドとラウンドの間にコース上で練習することを定めています。
そして規則5.2b/1には
「プレーヤーが1つのラウンドを終了したものの、同日にそのコースで
別のラウンドやラウンドの一部をプレーすることになっている場合、
そのコースで練習することは規則5.2bの違反となる」とあります。
そしてプレーオフは新しいラウンドです。(規則5.1)
競技で使用された18番ホールを同日に使用するため、コース上での練習が規制されます。
ここで繰り返し使われている「コース」とはゴルフ規則で定義されているコースではなく、
その日にプレーされる競技のすべてのラウンドに使われるホールを意味します。(解釈5.2/1)
そのため、競技最終日に使用されるホールが1番ホールから18番ホールだった場合、
プレーオフに出場する選手は、プレーオフ以外のホールでも
その日の競技に使用された1番ホールで練習することはできません。
ただし、必要であれば委員会はローカルルールひな型I-1.1を採用し、
コース内のホールを指定練習場と定めることはできます。
稀なケースですが、今年のVポイント×ENEOSゴルフトーナメントのように、
競技最終日のラウンドで使用されたホールが10番ホールから18番ホールの9ホールに短縮された場合、
プレーオフの前に、出場する選手はその日のラウンドで使われていない1番ホールで練習することができます。