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2025.10.15

Green Jacket 楽天GORA presents タケ小山のルールザワールド

デシャンボーがUSオープンで危うくルール違反となる

解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

6月にオークモントCCで開催されたUSオープンで昨年の覇者として参加したブライソン・デシャンボーが
1ラウンド目の4番ホールで危うく罰打を課されるところがTVに映り、話題となりました。

4番ホール(パー5)でティーショットを右のバンカーに入れ、
顎の高いバンカーから2打目をフェアウェイに出した球は、ギャラリーが歩くクロスウェイにあり、
USGAはローカルルールで、緑線で囲われたそのクロスウェイを修理地と定めていました。

デシャンボーはその修理地から救済しようと球を拾い上げましたが、
正しい救済エリアが本人の望んだ場所と違うと分かると、拾い上げた球を元の位置にリプレースできると思い、
現場にいたレフェリーにそう尋ねました。

しかし規則では、修理地からの罰なしの救済を受けるつもりで自分の球を拾い上げ、
その後になって気が変わり、処置をしないと決めた場合、その球を拾い上げる権利はもはや無効となります。(詳説9.4b/4)

もし球があった元の箇所にリプレースするとなると、
インプレ―の球を拾い上げたことにより規則9.4の違反で1罰打を課すことになります。

そのことをレフェリーから伝えられると、デシャンボーは1罰打を免れようと、
望んだ場所ではないけれど、修理地の救済をしようと決めます。

その場所は元の位置より5ヤードほど後ろに下がったところなのですが、
デシャンボーは更に勘違いして、救済エリアにドロップすべきところをプレースしてしまいます。

再度、レフェリーに誤りを指摘され、プレースした球を拾い上げ、罰なしにドロップして救済を正しく終えました。

もしプレースした球をそのままプレーした場合、誤所からのプレーで2罰打を受けるところでした。

しかしプレーする前だったので、規則14.5bに基づき、罰なしに誤りを訂正することができました。

この教訓として皆様にお伝えしたいのは、
もし球が修理地や障害物などの上や近くに止まっていて罰なしの救済が受けられるとしても、
すぐに球を拾い上げないことです。

それは拾い上げた後に、ドロップすべき救済エリアが球の止まっている位置より好ましくない状況となる可能性があるからです。

その辺りも見極めてから正しく救済を始めましょう。

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