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ウミトソラノシルス

2025.12.29

Green Jacket 楽天GORA presents タケ小山のルールザワールド

他のホールをプレーしてショートカット

解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

ニトリレディスゴルフトーナメントの3ラウンド目での出来事です。

この日の16番パー5は、本来のヤーデージである545ヤードより80ヤード前にティーを出して、465ヤードにセッティングしました。

ほとんどのプレーヤーは、このティーならば16番ホールの左へドッグレッグしていくフェアウェイより、
左隣の15番ホールをプレーした方が、ホールまでの距離が短くなり、16番ホールにある2つの池もプレーに関係なくなると考え、
15番ホールのフェアウェイにめがけてティーショットしました。

これに驚いたギャラリーさんからは「そんなことしていいの?」や「危険じゃないの?」と言うコメントを耳にしました。

確かにイレギュラーではありますが、ギャラリーや15番ホールをプレー中の組の安全を配慮すれば、
16番ホールのプレーで、隣のホールのフェアウェイに打つことは、規則上問題はありません。

それは通常のプレーでも、大きくミスショットをした場合に、隣のホールに打ち込んでしまうことがあり、
これもホールとホールの間にラインOBなどの制限がなければあるがままプレーするのと同じです。

この15番ホールで組同士が交差する珍しい光景が続く中、面白いルーリングが幾つかありました。

この日はローカルルールでプリファードライが出ており、
球の一部がジェネラルエリアのフェアウェイの長さかそれ以下に刈られた部分に触れている場合、
元の球の箇所からホールに近づかないワンクラブレングス以内のジェネラルエリアで球をプレースすることができました。

そこでプレーヤーは「16番ホールをプレー中に、15番のフェアウェイに球があってもプリファードライの救済は受けられますか」
と聞いてきました。

これは委員会がローカルルールでそのような制限をしない限り、どのホールのフェアウェイに止まっていても救済することができます。

もうひとつのルーリングは、16番ホールをプレー中の球が15番ティー前のウォークパスに止まりました。

ウォークパスとはティーからフェアウェイの間にある道筋で、プレーヤーが歩きやすいようにラフより短めに刈られています。

プレーヤーに「ここからプリファードライの救済は受けられますか」と聞かれましたが、
ウォークパスの刈り高は20mmでフェアウェイの12mmより高かった為、「受けられません」と答えました。

このようにコースの芝の刈り高は、コースセッティングやメンテナンス作業には重要な情報で
競技委員会も周知していますが、プリファードライのローカルルールを適用する時は、
規則上でも必要な情報となります。

このイレギュラーなプレーは、プレーヤー達がより少ないスコアで上がるにはどうしたら良いかを考え、
機転を効かせてショートカットできる隣のホールをプレーするという選択をしました。

その結果、66人中7人がイーグル、41人がバーディーを取るなどして会場は大いに盛り上がりました。

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