2025.01.06
Green Jacket 楽天GORA presents タケ小山のルールザワールド
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- インプレーの球に触れる
- 解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん
9月に開催された山陽新聞レディースカップの1ラウンド目の出来事です。
8番グリーンでルーリング要請がありました。
プレーヤーはパッティングをしようとボールマーカーの前に球をリプレースし、
ボールマーカーを拾い上げました。それからストロークしようと思いきや、球の向きが狙っている方向より僅かにずれていることが気になり、
その向きを調整しようと無意識に球に触れてしまったのです。プレーヤーは、「球を動かしてはいないが、その位置で球に触れて少し向きを変えた」と言いました。
本来であれば、ボールマーカーで球の位置をマークしたままでなければ
グリーン上の球を拾い上げたり触れたりしてはいけません。それはたとえ、球の位置を変えずに故意に触れるだけでも
規則9.4の違反で1罰打となります。プレーヤーは、「故意ではなく、無意識です」と説明しましたが、
たとえ無意識であっても手で球に触れる行為は故意とみなされてしまいます。その結果、1罰打を加えた上で、
同じ位置からプレーを続けました。このようなルーリングはとても稀ですが、
年に1~2度あります。昨年は富士通レディースの9番グリーンでは、
プレーヤーがマークせずに球を拾い上げてしまうことがありました。この場合も1罰打で、
球を元の箇所にリプレースしました。あとでそのプレーヤーに事情を聞いてみたところ、
「グリーンに上がったときに、3打目のサンドウェッジの距離が想定していた距離より4ヤードショートしていたので、
何でだろうと考え込んでいたら、
マークするのを忘れて球を拾い上げてしまった」と言ってました。プレーヤーたちは、常に多くのことを考え、
判断や決定、ときには反省をしながらプレーしています。そんな中、
ふとしたことでいつものルーティーンと違う行動を取ってしまうのかもしれません。それで罰を課されるのは勿体ないので、
インプレーの球に触れる時は、慎重に行いましょう。