2024.04.18
Green Jacket 楽天GORA presents タケ小山のルールザワールド
「教えて!Nory」
解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん
【質問】
タケさん、いつも楽しみに拝聴しています。
以前にも、OBライン付近からの左打ちの救済ルールを教えて頂いた者です。
今回も似たようなケースですが、
調べても正解が分からなかったので教えて欲しいです。
右打ちのプレーヤーがコース左サイドのカート道へボールを打ってしまい、
ボールがあったのはカート道の左にある側溝の中でした。
側溝の左側には杭や障害物などは無く、ニヤレストポイントは左になります。
ただ、そこは立つ事もやっとの崖みたいな場所でとてもスイング出来る場所ではありません。
そこで、プレーヤーは右打ちで
崖からスイングするとバランスを崩して怪我する恐れもあるので左打ちをすると宣言。
そうするとカート道に足がかかる状態になります。
再度、ニヤレストポイントを設定しても更に崖の上になり、
立つ事は不可能な場所になります。
そこで、カート道左側での救済は不可能と判断して
カート道の右側に救済する事に。
その後の処置は宣言した左打ちでスタンスを取って、
更にニヤレストポイントを決めて再度、右打ちで構えて
もう一度カート道救済の流れで処置しました。
このケースの処置が可能かを教えてほしいです。
私は、当初のカート道左の崖でスイングの障害になる物はないので、
右打ちの救済をしないとダメだと思っています。
右打ちが出来ないのであれば、今回のケースでは
アンプレヤブルしか選択肢はないと思いますがいかがでしょう。
【解説】
再度、ご質問ありがとうございます!
このケースですと、左打ちでプレーするのは合理的だと判断します。
何故なら、仰るようにカート道の左側は崖となっていて
右打ちでプレーすることが実際的ではないからです。(詳説16.1a(3)/1)
しかし、左打ちだとしても完全な救済のニヤレストポイントはカート道の左側になるでしょう。
何故なら、左側は崖となっているとは言え、OB杭などはなくジェネラルエリアだからです。
完全な救済のニヤレストポイントとは、
球と意図するスタンスとスイングの3つが、側溝とカート道からの障害がなくなった
ホールに近づかない最も近いジェネラルエリアになります。
この基点は、プレーができるライが保証されるわけではなく、
崖で立つことが不可能という理由でストロークすることができなくても、
それによって基点が変わることはありません。(定義:完全な救済のニヤレストポイント/4)
しかしその救済エリアに球をドロップしてプレーすることが現実的でなければ、
規則上、救済が受けられたとしても、実際はしないと選択することもあるでしょう。
そうなりますと、側溝からあるがままにプレーするか、アンプレヤブルの処置をするしかありません。